難しいご質問ですが、私個人としては「テストの結果は結果であり、それ以上のものではない。そのソフトを信用するかどうかは、ランキング以外の要素を含めての個々人の判断」と考えています。
Avast について言えば、以前はトップ集団にいた(最高でも「上の中」くらいではありますが)のですが、数年前から下降気味となり、最近ではトップ集団よりやや遅れた位置(中位)にいるように思います。
この結果には不満を持つ方は少なくなく、増加している広告やポップアップ、その他もろもろの動向と合わせ、Avast の将来について、古参ユーザーの中でも不信感が出てきているのは事実です。
10年来の古参ユーザーがAvast を見限ると宣言し、フォーラムや関係者に激震が走ったのもつい先日のことでした。
Sorry, but your product and whole company is one big mess
https://forum.avast.com/index.php?topic=185331.0検出率ランキング全般に関して言うと、テストは様々ありますが、これらが本当にソフトの性能(=検出率)を正しく表しているのかどうかについては議論があります。
10年前であれば、クラウドとか振る舞い検知などという技術もまだほとんど無く、ローカルのマルウェア検体をスキャンするだけで、検出率を測ることができました。
ただ、現在ではクラウド(常に変化する:テストタイミングのわずかな差で結果が変わり得る)や振る舞い検知(マルウェアが実行されてはじめて機能し始め、動作を監視してブロックする:定義ファイルでは検出されずとも、現実には保護できるケースがあり得る)が広がり、従来のテスト手法では性能が測れなくなってきています。
AV-Comparatives の Dynamic Tests 等はこれらの手法の問題を解消しようと作られたもので、手法の改良も進んできてはおりますが、テスト手法は各社でバラバラなので、全てのテストを1列に並べて比べることはできません。
危険なウェブサイトを頻繁に巡っていると自分で感じているのであれば、例えばブラウザをサンドボックスに入れるとか、そういった対策の取りようもあるかと思います。
セキュリティソフトを増やせば、セキュリティは向上するかもしれませんが、その分トラブルの発生確率も上がりますし、パフォーマンスの低下も起き得ます。
また、セキュリティソフトばかりでなく、万一感染した場合の復旧を考えると、バックアップをどのくらい頻繁に取るかとか、どこにバックアップするか(暗号化ウイルス感染の例では、バックアップを常設の別HDDに置いていたために、バックアップまで全滅したなんて言う話もありました)、その場合の手間やかかる時間、費用はどうか等、様々な要素が絡んできます。
以前にも書いたかもしれませんが、PCのマルウェアも風邪と同じで、気を付けていても罹るときは罹ります。「これをやっておけば100%安心」なんてものはありません。
最終的には、PCの使い道とそのデータの扱い、セキュリティソフトの追加で得られるメリット・デメリットとその許容範囲等を勘案し、自身に最適な解を選んでいくものと思います。
参考までに、私の構成を書いておきます。
ウイルス対策(常時):Avast
ファイアウォール(常時)・振る舞い検知(常時):Comodo Internet Security
サンドボックス(必要に応じて):Sandboxie
バックアップ1:外付けHDDへファイルをコピー(手動、不定期)
バックアップ2:オンラインバックアップサービス(Mozy)に、更新・追加のあったファイルのみコピー(自動、定期的:最低でも週1、通常は毎日)