v8登場時の改良点の一つとして、「自動サンドボックス機能におけるウイルス検知率の向上」が挙げられます。
定義ファイルやエンジンとしてではなくプログラム更新の改良点として出ている所を見ると、これらのウイルス検知機能はv7以前の系統では使用できない可能性が高いです。
これまでは「v5以降は定義とエンジンは共通で検知性能は変わらないから、バージョンを下げても心配ない」と言われていましたが、現在この前提は崩れている可能性があります。
また、v8ではスキャンの高速化機能も実装されています。これは、主にオンデマンドスキャン(クイックスキャンやフルスキャン)の高速化に寄与するものです。
互換性問題ですが、8.0.1482において、CPUの仮想化支援機能を利用してサンドボックスを強化する機能が追加され、デフォルトでオンになっています。
自動サンドボックスの強化に伴ってサンドボックス内でマルウェアが暴れるケースが増えたためかと思いますが、仮想マシンで使われることの多い機能であるため、一部のゲームではこれをチート行為とみなし、起動を停止してしまうものが散見されます。
この機能は設定画面から無効化できるのですが、無効化しても起動しないケースもあるようで、挙動監視シールド導入時からそうですが、ゲームとの相性問題にはやはり厳しいものがあるようです。
他に、メールシールドがSSLを直接スキャンできるようになり、メールソフト側でSSL無効化の手順を取らなくても良いように仕様が変更されました。
これまではメールソフト側でSSLを無効化しないとスキャンできず、設定変更が面倒と言われていたのが、SSL有効のままでスキャン可能になった、ということです。
ただ、これがまた一部のメールソフトと相性が悪く、メールソフト側で追加の設定をしないとSSL接続での送受信ができなくなる(非SSLでの送受信には問題ありません)トラブルが散見されます。
この仕様変更の詳細については
http://forum.avast.com/index.php?topic=121064.0で詳しく説明していますのでこちらでは省きますが、アップデートであれば今まで通りの設定でも送受信できる仕様になっていますので、大きな問題は無いかと思います。
全体的な安定性としてはそれほど変わっていないとは思いますが、細かいところを見るとぽつぽつトラブルが見られます。
ウイルス検知性能の向上を取るか、安定性の維持を優先するか、というところだと思います。
参考までに、次期バージョンであるv9のリリースが、これまでより少し早まりそうだ(例年2~3月ごろリリースだったものが前倒しになる)との情報があります。
そのため、v8系統のアップデートはあってもあと1回(+修正版で2回)、あるいはアップデートなしでv9のベータテストに突入かもしれません。
安定性の維持を狙う場合、しばらくアップデートの機会が無くなる可能性があります。